図5−1−1に相互相関処理後のオリジナル波形例を起振点で70m毎に示す。本測線におけるバイブレータの発振スイープは、20〜90Hzとした。図5−1−2にフィルター処理後波形例を示す。バンドパスフィルターでは20〜90Hzを通過周波数帯とし、AGCのオペレータ長は250msとした。図5−1−3にデコンボリューションパラメータテスト(オペレータ長を10,25,100msと変更)結果例、図5−1−4にはデコンボリューション処理結果例を示す。デコンボリューションのオペレータ長は10msとした。図5−1−2のスタック前の波形例を観察すると、起振位置0,70,140mの記録例では500〜600msの時間を往復走時とする反射波が顕著であり、それよりも深いところからの反射波を認めることはできていない。一方、起振位置210mの記録例では、往復走時400ms前後の反射波が顕著である。
図5−1−5には速度解析結果より求めた区間速度分布を示す。図5−1−6には速度解析結果よりCDP重合を行った結果である時間断面を示す。時間断面を観察すると、測線北側では往復走時を500〜600msとする反射波が顕著であり、この反射波は距離170m付近の位置で途切れている。同様に測線南側では、往復走時が250msとほぼ一定である反射波が顕著である。その次に顕著な反射波として、測線南側では、往復走時を400ms前後とする反射波が認められる。これらの反射波は、重合前の記録でも確認されており、反射面の形状を表しているという観点において確実度が高い。往復走時300msよりも早い時間でも多くの反射波を認めることができるが、その連続性は上記の反射法と比べると良くない。重合前のデータのS/Nの良さを考慮すると、この反射波の連続性の悪さは、そのまま反射面の分布状況を反映していると考えることができる。図5−1−7には、マイグレーション後時間断面を示す。マイグレーションには、速度解析で求めた速度テーブルを用いた。マイグレーション処理後の結果においては、断面の両端などに実際の反射面の分布を反映していないひずみが生じているため、この測線の解釈には主にマイグレーション処理を施していない時間断面を用いた。
図5−1−8には、時間断面に深度変換を施した結果(深度断面)を示す。深度変換には、図5−1−5に示した速度テーブルを平滑化して用いた。