今後の検討課題をまとめると，以下のようになる．

櫛形山脈断層帯と月岡断層帯の活動性評価を行う上で残された検討課題は，活動間隔の特定である．月岡断層等の活動間隔が７，０００〜１０，０００年程度であるとすると，約２０，０００年以降の堆積物と断層との関係が把握できる箇所でトレンチ調査等を行うと活動間隔を推定できる可能性がある．また，断層面の正確な傾斜角を求めネットスリップと求めるとともに，ＡＴ火山灰の正確な落差を把握することにより，ＡＴ火山灰降灰期以降の活動回数を求められ，それによって活動間隔を推定することもできる．