6−8−1 月岡断層帯の平均変位速度,単位変位量,活動間隔

新潟県(1999)では,月岡断層帯の単位変位量の鉛直成分を3mとしている.また,粟田・小松原(1999)は,ボーリング踏査結果に基づいて,くいちがい弾性論による断層変位量の考察を行い,月岡断層の単位変位量を平均約6m(ネットスリップ)と求めた.

また,新潟県(1999)は月岡断層帯の活動間隔を約6,000〜7,500年としているが,粟田・小松原(1999)によると,月岡断層の約25,000年前の土石流堆積物の鉛直変位量(10〜11m)と,単位変位量の鉛直成分(約5m)及び長期的な平均鉛直変位速度(0.4〜0.5m/1,000年)から,約25,000年前以降における同断層の活動回数は2回,活動間隔は10,000年程度と推定される.

このように,単位変位量の見積もりにより,同断層の25,000年前以降の活動回数や活動間隔の想定が異なる.