6−2 断層の変位様式
加治川断層は,地形面上に分布する逆向きの低崖,隆起側の地形面にみられる背斜的なふくらみ,風隙,断層露頭等の存在から,西側隆起の逆断層であると判断される.また,河川の屈曲状況から左横ずれ成分を伴う可能性もあるが,河川の屈曲の他には積極的に横ずれを示す資料は得られなかった.
金山地区のKZ−9孔及びKZ−14孔(
図9
及び
図18
参照)で低位段丘堆積物を切る断層が確認された.断層面の傾斜角は45゚で,鮮新統の鍬江層シルト岩の上に低位段丘堆積物が衝上している.