4−1−1 平均変位速度の算出(荒島地区)

[地形面の落差]

平成10年度に実施した地形面調査では,Ku−3面に沿う地表面の落差を8.3mと推定している.

今回のピット調査ではKu−3面を構成する礫層を確認した.断層東側ではKu−3面の上に,断層変位によりトラップされたとみられる礫混り砂質シルト層が載っており. Ku−3面は地表から深度2.6mに分布する.したがって,Ku−3面の落差は10.9mとなる.

[地形面の年代]

Ku−3面直上の材の14C年代から,同面の形成年代は42,920yBPより古いと判断される.

[平均変位速度]

Ku−3面は西に12゚傾斜している.断層面の傾斜が不明であるので,Ku−3面の真の鉛直方向の変位量はわからないが,Ku−3面の落差に同面の鉛直方向の変位量がほぼ等しいと仮定すれば,以下のような平均変位速度が求められる.

鉛直方向の平均変位速度 < 10.9(m)/42.92(1,000年)≒0.25(m/1,000年)