これらの断層のうち月岡断層については,詳細な調査が実施され,その活動性が評価されている.
今回実施した空中写真判読結果によれば,加治川断層と月岡断層の間約10kmは,沖積面が広く分布し,Kj − 6面(沖積段丘),旧河道跡がところどころに判読される.これらの地形面に変位地形要素は判読されず,断層の有無を確認することができなかった.また,加治川断層と櫛形山地西方断層の間約5kmでは,胎内川による河成段丘面が分布する.これらの段丘面のうちTa − 4面の勾配は,河床勾配とほぼ同じであり,Ta − 4面は断層による変位を受けていないと判断される.
今回の調査では,各断層の中間地点で変位地形が判読されず,地表付近では断層が確認されておらず,伏在している可能性が考えられる.今後各断層の間で地下深部構造を把握する調査を実施し,断層の有無を確認するとともに,各断層の活動性の比較・検討を行い,各断層の連続性・関連性を検討する必要がある.