4−2−3 その他の断層

金山断層……………櫛形山脈南西部の沖積面と山地の境界付近に位置し,北北東−南南西方向に伸びる長さ3.0kmの断層である.

地層の分布状況から東側隆起の断層が想定される.

リニアメント判読位置付近では,新第三紀の基盤岩を切る断層露頭が確認される.断層に切られる基盤岩の上位には断層変位の及んでいないシルト,礫からなる堆積物が確認され,金山断層は地質断層である可能性が高い.

花立断層……………櫛形山脈北西部の西傾斜の緩斜面とその東側の山地との境界に位置し,北東−南西方向に伸びる長さ3.2kmの断層で,櫛形山地西方断層の東側に分布する.

地層の分布状況から東側隆起の断層が想定される.

リニアメント判読位置は,新第三紀の釜杭層と下関層の地層境界に一致しており,両層を境する東傾斜の正断層露頭が確認される.従って花立断層は,釜杭層と下関層を境する境界断層である可能性が高い.

櫛形山地東方断層群…櫛形山脈東側の山地と丘陵の境界付近に位置し,北東−南西方向に伸びる断層で ある.リニアメント判読位置は,花崗閃緑岩と新第三紀の基盤岩の境界に一致しており,リニアメントを横断する扇状地面及びリニアメント延長上に分布する河成段丘面に変位地形は認められない.従って基盤岩中の地層境界である可能性が高い.

五十公野丘陵東縁断層……櫛形山脈南方の五十公野丘陵東縁部に位置し,北東−南西方向に伸びる長さ2.1kmの断層である.

既存ボーリング資料から西側隆起の断層が想定される.