土石流堆積物が丘陵の尾根部に分布することは、土石流が流出したその当時に笹神丘陵は存在せず、五頭山から続く山麓部であったことを物語っている。
反射法地震探査結果によると、基盤岩である花崗岩の上限面の鉛直方向の変位量は約110mであることが明らかになっている(図4−2−1)。一方、T1面の鉛直方向の変位量は95〜98m以上であり、花崗岩の上限面から求められる鉛直方向の変位量と同程度である。
前述したようにT1面形成後の月岡断層の活動は、0.4〜0.5 m / 103 y で一様なものと考えられること、T1面の鉛直方向の変位量と花崗岩の鉛直方向の変位量には有為な差が見られないことを判断すると、月岡断層帯は、T1面形成前後(約20〜30万年前)に活動を開始し、現在までほぼ一様に活動しているものと判断される。