a.扇状地面(E1面)
扇状地面(E1面)は、笹神丘陵から供給された堆積物によって形成された扇状地面で、B測線付近に分布する。ボーリング調査結果によれば、本層は村杉低地堆積物であるD層を直接覆う。本地形面を構成する堆積物の14C年代測定結果によれば、本地形面は約6,000年前に形成されたと判断される。
本地形面は、昨年度の調査結果に指摘されているように、B測線付近で本地形面を切る比高3mの低断層崖が明瞭に認められる。
B.扇状地面(E4面)
扇状地面(E1面)を覆って分布する扇状地面でA測線沿いの笹神丘陵から延びる谷の出口から村杉低地に向かって扇状の地形面を形成している。ボーリング調査およびトレンチ調査の結果によれば、村杉低地堆積物を浸食してチャネル状に堆積したE2層を覆い堆積したE3層〜E4層が、この地形面を形成しており、約2,100〜2,500年前に形成されたと判断される。
昨年度の調査結果によれば、本地形面上のA測線上のBトレンチ付近に比高1m程度の低崖がNNE〜SSW方向に判読されたが、後述するように人工崖であることが明らかになった。
C.扇状地面(E5面)
扇状地面(E5面)は、扇状地面の南部に分布する新期の扇状地面で14C年代測定結果によれば、約1,000年前に形成されたと考えられる。本地形面には、リニアメントなどの変位地形は全く認められない。
D.扇状地面(E面)
扇状地面(E1面)および村杉低地堆積物を浸食・被覆して分布する扇状地面でB測線付近から北側に分布する。本地形面は、年代データが得られていないため、E4面、E5面との関係は特定されていないが、地形的に扇状地面(E4面)を浸食し、形成した新しい扇状地面である可能性が高い。