3−1−3 トレンチ調査

トレンチ調査は、9月29日〜10月30日にかけて行い、10月7日〜9日にかけては、報道陣および一般に公開した。

A測線上、C測線上で実施した各トレンチの形状を図3−1−3図3−1−4図3−1−5に示す。トレンチ調査の作業の流れを以下に示す。

1)地形図作成

平板測量を実施し、トレンチ位置を含む月岡南地区の200分の1の地形図を作成した。

2)掘削位置および掘削土砂置き場の選定。

重機の搬入・搬出径路および作業場所、掘削土量等を考慮し、掘削位置および掘削土置き場を選定した。

ボーリング孔径について

月岡南地区では、砂質土〜粘性土が比較的多く、かつ、礫分が比較的多い表層部については、地層対比を年代測定に頼らざるをえないことを考慮して、ボーリング孔径を66m/mとした。

3)トレンチ掘削

トレンチ掘削は、バックホーなどの重機により行った。

掘削土砂置き場は、ブルーシートなどを敷き、掘削土と表土が混ざらないよう配慮した。掘削に先立ちトレンチ掘削地点の表土および耕作土をはぎ取り、他の掘削土砂と混ざらないように分けて保管した。また掘削土砂は、埋め戻しに支障がないように厳重に保管した。

掘削にあたっては、始めに深さ3m程度試し堀を行い、地山状況を確認して本掘削を行った。B、Cトレンチについては、湧水による崩壊もなく、予定通りに掘削可能と判断し、本掘削を行った。Aトレンチについては、試し堀の段階で湧水に伴う崩壊が顕著で、掘削深度あるいは法面勾配の変更等を考慮したが、数日後、湧水が減少し、かつ、地山も安定したため、本掘削では、湧水がみられる上流側の法面勾配をやや緩くする形で掘削することとした。本掘削では、崩壊もほとんど発生せず、無事掘削することができた。

4)トレンチ観察面整形

重機による掘削終了後、手作業により観察面を平滑に整形した。

5)地質観察

観察面に1mメッシュのグリッドを設置したのち、地質観察を行った。

6)地質観察および年代測定試料採取

地質観察とともに腐植土、木片などの堆積年代が測定可能な試料を採取した。

7)トレンチ埋め戻しおよび用地復旧作業

地質観察、年代測定試料採取が終了したのち、トレンチを埋め戻し、用地復旧を行った。