(1)ボーリング調査の結果
図2−2−1は、B−1からB−3のボーリング調査結果と諸分析結果をまとめ、実際の水平距離の比率で並べたものである。この柱状図において、南のB−1から北のB−3に向かって各層準の出現深度が深くなっている。この事実は、平成9年度に得られた新宝町の浅層反射法探査断面で東海層群の連続の良い反射面が、北に向かって階段状に下がっていくような結果を示したこととよく一致する。しかし、同じ浅層反射法の結果では、海部・弥富層より浅い部分では反射面の不連続は確認できるが水平方向の連続は明瞭ではない。従って、ボーリングで海部・弥富層より浅い部分に認められた高低差が、直ちに断層変位によるものであるとは言えない。図2−2−2は、「最新名古屋地盤図」より引用した、名古屋周辺の沖積層基底面の等高線図である。この図を見る限り、調査地周辺は下位の地層を削り込んだ西に流下する谷の南側斜面にあたるため、調査地の南陽層の基底面あるいは第一礫層の上面は、北に傾斜していることが想像される。従って、図2−2−1のボーリング柱状図において、南のB−1から北のB−3に向かって各層準の出現深度が深くなっているが、この変化を直ちに断層変位による高低差として読みとることは適当ではない。