表2−1−3 層序区分対比表
既存資料や平成9年度のコア観察結果と比較しながら、層序区分を行った。
@ 盛土と南陽層
平成9年度のB−1ボーリング同様に、B−2、B−3においてもヘドロが多く盛土は採取は出来ない。塩基性岩の角礫を含む点も昨年と同様で、この角礫が無くなり砂が主体で締まりが良くなる所から南陽層とした。
A 南陽層と第一礫層
南陽層の上部層と下部層の境界は漸移的で曖昧であるが、B−1と同様に粘土が主体となる所から下部層に区分した。下部層と第一礫層の境界は、B−2においてはB−1の場合と類似しており、粘土が黒色化し礫主体になるところから第一礫層とした。B−3では、長く暗灰色粘土が続いた後、深度31.70〜32.19mに礫が出現し、この礫層を第一礫層とした。この礫層については、第一礫層として扱えるかどうか不明であるが、南陽層の下端に出現する礫層であるため、第一礫層として扱っておく。
B 第一礫層と熱田層
B−1においては、植物片などの有機質を多く含む砂〜粘土が優勢となる部分を熱田層とした。B−2の第一礫層と熱田層の境界は礫層が途切れ、酸化色を示すシルト層から下を熱田層とした。ただしこの礫層は、南陽層との境界が漸移的で円礫も他の第一礫層より多いことから、完新世基底礫層である可能性がある。B−3では薄い礫層が途切れ、やはり酸化色を示すシルトが出現する所から熱田層とした。熱田層にはB−1のような顕著な植物片に富む層準は認められないが、B−2、3ともに暗灰色で薄く植物片を含む層準が認められB−1のものと類似している。
C 熱田層と第二礫層
B−2においては、暗灰色の粘土から砂層に変化する部分、32.84mを境界とした。当初、熱田層の範囲については層相からの判断が困難であったが、後で述べるようにイオウ分析や電気伝導度測定の結果から、B−2については上記判断が妥当であると思われる。B−3は深度33.55mの暗褐色粘土までを熱田層とし、その直下に礫質の粘土層が続いておりこの礫層を第二礫層とする。
D 第二礫層と海部・弥富層
B−1では、該当個所においてコアの欠落が多く、第二礫層と海部・弥富層を区別することが困難であったため、両者をまとめて第二礫層相当層とした。B−2においては礫層が途切れ、やや締まりの良いシルト層が出現する深度34.64mを境界とした。B−3においては、礫質の粘土層が途切れシルト質になる深度34.09mを境界とした。
E 海部・弥富層と東海層群
B−1では、第二礫層相当層(海部・弥富層を含む)と東海層群の境界部が想定される周辺が欠落しており、深33.0mを便宜上の境界とした。B−2においては礫層が途切れ、かなり締まりの良いシルトが出現する深度38.43mを境界とした。B−3においても、礫層が途切れ締まりの良いシルトが出現する深47.00mを境界とした。B−2,3ともにシルトの最上部は酸化が著しい。特にB−3は1mほど酸化帯が続く。B−3においては同様の酸化帯が深度42.17mにも存在し、東海層群の最上部は、この部分である可能性を残している。
図2−1−2−1 1/100地質柱状図凡例
図2−1−2−2 1/100地質柱状図 B−2(1/3)
図2−1−2−3 1/100地質柱状図 B−2(2/3)
図2−1−2−4 1/100地質柱状図 B−2(3/3)
図2−1−2−5 1/100地質柱状図 B−3(1/3)
図2−1−2−6 1/100地質柱状図 B−3(2/3)
図2−1−2−7 1/100地質柱状図 B−3(3/3)
図2−1−2−8 1/100地質柱状図 B−1(1/3)
図2−1−2−9 1/100地質柱状図 B−1(2/3)
図2−1−2−10 1/100地質柱状図 B−1(3/3)