(1)ボーリング調査結果の考察

図1−6−3に柱状図を示す。図1−6−4に新宝町測線沿いの解釈断面図を示す。

@本年度行った、B−2、B−3と平成9年度のB−1の結果から、天白河口断層を横切る浅層反射法則線沿いの地質構造の詳細が明らかになった。南陽層、第一礫層、熱田層、第二礫層および海部・弥富層は南のB−1から北のB−3に向かって分布深度が次第に深くなる。

A南陽層と第二礫層および海部・弥富層は北に向かって次第にその厚さを増している。南陽層で行われた放射性炭素同位体年代測定の結果は、南陽層の堆積構造に有意の高度差が生じていないことを示す。

B熱田層は、名古屋港西部で確認されている熱田層の層厚に比べて薄く、上位の第一礫層に削剥されていると考えられる。B−2,B−3の熱田層には、B−1と同様に淡水成層と海成層が確認されたが、既存ボーリングや潮見町の反射法探査結果や海上音波探査結果の熱田層の分布との比較から、新宝町に分布する熱田層は熱田層下部に相当すると考えられる。

CB−2とB−3の東海層群には火山灰が確認された。主にガラスの屈折率測定から、B−2の標高−54.90〜54.96mに分布する火山灰は、天神池火山灰に類似している。B−3の標高−61.90〜−61.68mに分布する火山灰は、佐布里火山灰である可能性が高く、少なくともB−1の標高−32.70〜−32.86mに認められた火山灰と同じ物である。この結果は、新宝町の浅層反射法探査で確認された東海層群の変位のセンスと矛盾しない。