(5)テフラ分析結果の概要

東海層群中の深度37.56〜37.72mに明瞭なテフラ層が認められた。

分析結果を表1−4−5(表1−4−5−1表1−4−5−2表1−4−5−3表1−4−5−4表1−4−5−5)に示す。

本調査で得られたテフラ試料は、挟在する層相から常滑層群中のテフラと判断されることから、公表論文(中山・古澤,1989)をもとに、近似性の高い分析値をもつものを検討した。その結果、20枚あるテフラ層の中では、総合的に東谷火山灰層および佐布里火山灰層の2枚のみであり、露頭での観察記載を検討すると、佐布里火山灰層(糸魚川,1971)がより近似すると判断された。

東谷火山灰層の堆積年代は3.6±0.2百万年前(吉田史郎ほか,1997)とされており、佐布里火山灰層はその直上部に分布するので、堆積年代は約350万年前と推定される(牧野内)。

表1−4−5 テフラ分析結果

表1−4−5−1 全鉱物組成

表1−4−5−2 重鉱物組成

表1−4−5−3 火山ガラス形態分類

表1−4−5−4 火山ガラス屈折率測定

表1−4−5−5 鉱物の屈折率測定

凡例 01. ; Olivine(カンラン石), Opx.; Orthopyroxene(斜方輝石), Cpx. ; Clinopyroxene(単斜輝石), BHo. : Brown Hornblende(褐色普通角閃石), GHo. ; Green Hornblende(緑色普通角閃石), Opq. ; Opaque Mineral(不透明(鉄)鉱物), Id. ; Iddingsite(イディングサイト), Zr. ; Zircon(ジルコン), Bi. ; Biotite(黒雲母), Ap. ; Apatite(アパタイト),Gar.;Garnet(ザクロ石),VG.;Volcanic Glass(火山ガラス),Zoisite(ユウレン石),Cum.;Cummingtonite(カミングトン閃石),Epidote(緑レン石)

略称 Ha,Hb:扁平型(バブル・ウォール型)   Ca,Cb:中間型

   Ta,Tb:多孔質型(軽石型,繊維状型)   It:不規則型