(1)観測条件
測線位置:東海市新宝町とし、南北方向の測線とした。(図2−1−8参照)
測線長:1測線、1190m
探査深度:300m以上
起震方法:ミニバイブレータによるP波起震
起震点間隔:5m(橋梁上の8地点での起震を実施しなかった)
受振器:固有周波数27Hz(9個で1組),アレー配置
受振点間隔:5m(橋梁上の8地点での受振を実施しなかった)
記録チャンネル数:120チャンネル
サンプリング間隔:1.0ミリ秒
記録長:2.048秒
起震仕様:バイブレータの起震は、現地確認試験を行った上で、以下に示す仕様とした。
スタック数;4回(場合により5〜7回)
スイープ長;10秒
スイープ周波数;15〜120Hz
展開方式:split−spread
CDP重合数:59以上
使用機器:表2−1−4
表2−1−4 使用機器一覧表
(2)起震器
ミニバイブ(miniviv)はサーボ機構により制御されるバイブレーター型の起震器であり、10〜550Hzの振動を発生させることができる。スイープ時間内に線形あるいは任意のスイープパターンを設定できる。
名称:minibiv T−15000(3.5tonトラックに積載)
製造元:Industrial Vehicles International, INC.,Tulsa, Oklahoma, U.S.A.
図2−1−8 浅層反射法探査測線位置図
(3)現地確認試験(Sweep Test)
探査仕様を決定するために、次のような現地確認試験を行った。
@周波数の決定(巻末資料3−@)
追加距離400mの測線上(受振器設置0〜600m)において、minivib T−15000を使用して起震した。サンプリング・レートは1msec、相互相関計算(コリレーション)後の最終的な記録長は2,048msecとした。スイープ長を10秒に固定し、スイープ周波数帯域を10〜40、40〜90、90〜160、160〜250Hzのそれぞれについて、スタック数を2回としてデータを取得した。この結果、スイープ周波数帯域を90〜160Hzとした場合には、初動付近の反射波及び表面波が卓越した。また、160〜250Hzとした場合には、音波を除いてほとんど反射波は認められなかった。
次に、スイープ周波数帯域を10〜90、10〜120、10〜150、15〜120、20〜120、30〜120Hzとし、スタック数を2回としてデータを取得した。
30〜150Hzの記録では、全般に高周波ではあるが、反射波が相対的に目立たない。650msec付近の反射波は、10〜100Hz、15〜120Hzの記録では強く、20〜120Hzではやや弱い。また、10〜100Hz、15〜120Hzの比較から、本探査は比較的浅部を主対象としていることから、分解能が高い15〜120Hzが適していると判断した。
Aスタック数(巻末資料3−A)
垂直重合数(スタック数)を1、2、4、8回として比較検討を行った。起震条件は@と同様とし、起震周波数は@で決定した15〜120Hzとした。
1、2、4回については、垂直重合数が多いほど記録は良好となるが、4回と8回では、大きな差異は認められなかった。このことから、本測定では、垂直重合数を原則として4回として実施することにした。なお、震源の効きが悪いと判断された時は、5〜7回の垂直重合を行った。
また、本調査において、深度100m以浅の浅部における地質構造をより詳細に得られるよう、測線の展開方式を、平成8年度のoff−end方式ではなく、震源近傍の水平重合数を大きく得られるsplit−spread方式とした。
図2−1−9 測線展開概要図