1−4−2 ボーリング調査・年代測定及び諸分析結果の概要(平成9年度)

(1)ボーリング調査結果の概要

ボーリング孔「B−1」(掘進長70.00m)1孔を実施した。コア観察による地質層序を表1−4−1に示す。また、掘削位置を図1−4−2に示す。

表1−4−1 コア観察による地質層序

図1−4−2 ボーリング位置図

(2)放射性炭素同位体年代測定結果の概要

測定結果を表1−4−2に示す。

表1−4−2 放射性炭素同位体年代測定結果

(3)イオウ分析結果の概要

分析結果を表1−4−3に示す。

表1−4−3 イオウ分析結果

(4)粘土混濁水の電気伝導度測定結果の概要

測定結果を表1−4−4に示す。また、深度に対する電気伝導度の変化を図1−4−3に示す。

表1−4−4 粘土混濁水の電気伝導度測定結果

図1−4−3 深度に対する電気伝導度の変化

(5)テフラ分析結果の概要

東海層群中の深度37.56〜37.72mに明瞭なテフラ層が認められた。

分析結果を表1−4−5に示す。

本調査で得られたテフラ試料は、挟在する層相から常滑層群中のテフラと判断されることから、公表論文(中山・古澤,1989)をもとに、近似性の高い分析値をもつものを検討した。その結果、20枚あるテフラ層の中では、総合的に東谷火山灰層および佐布里火山灰層の2枚のみであり、露頭での観察記載を検討すると、佐布里火山灰層(糸魚川,1971)がより近似すると判断された。

東谷火山灰層の堆積年代は3.6±0.2百万年前(吉田史郎ほか,1997)とされており、佐布里火山灰層はその直上部に分布するので、堆積年代は約350万年前と推定される(牧野内)。

表1−4−5 テフラ分析結果表

(6)速度検層(PS検層)結果の概要

B−1の深度0〜66mでP波検層を、深度0〜36mでS波検層を実施した。

P波検層では、概ね深度にかかわらず一定の速度値が得られた。

S波検層では、コア観察による地層境界と速度の変換点は必ずしも一致する結果は得られなかったものの、深度に従って速度値の増加が認められた。また、深度36m以深の東海層群には、地表で発振したS波が到達しないことが分かった。

検層結果を図1−4−4に示す。

図1−4−4 走時曲線図