2−3−2 探査仕様

(1)観測条件

本音波探査では、探査に先立って良好な観測記録を得るために、テスト走航を行い、調査海域の海象、海底地形、地質などの諸条件を考慮して観測条件を設定した。本調査の観測条件は表2−3−1のとおりである。

(2)音波探査装置   

調査に使用した音波探査装置の主な仕様は、表2−3−2のとおりで、以下、動作の概要について述べる。

 探査装置の主要部分は、@送信部のG.Iガン、A受信部のストリーマーケーブルおよびBデジタル探査装置で構成されており、以下、これら各部の機能の概要について述べる。

@送信部

 音源に使用したG.Iガン方式は、高圧空気を供給するコンプレッサー、圧力調整器およびガンコントローラー・ユニットで作動する。

コンプレッサーで圧縮された高圧空気は、空気圧調整器で圧力調整されたあと、高圧ホースを通りG.Iガン高圧空気室に送られる。高圧空気室に充填された圧搾空気は、ガンコントローラー・ユニットから送られる発震起動信号により瞬時に約100気圧の空気を海水中に放出し、音波を発生させる。

 G.Iガン方式は、2 つのエアガンを装備しており、それぞれのエアガンから高圧空気を放出する時刻を調整することにより、気泡振動が除去されるのでパルス状になる。

 なお、G.Iガンにはハイドロホンが着装され、発震信号を船上のオシロスコープで監視するとともに、後述のデジタル探鉱器を介し磁気テープに収録を行った。

A受信部

 音源で発震された音波は海底面や海底面下の地層境界面などで反射し、再び海面に戻ってきたところを受波器で受信される。

 反射波を受波するストリーマーケーブルは、2.0m 間隔で配置される24組の受波器からなっている。

B記録部

 ストリーマーケーブルで受波された反射波は、記録部でアナログ信号からデジタル信号に変換(A/D変換)されたあと磁気テープに収録される。

 記録部はデジタル探鉱機、パーソナルコンピューター、モニター用ディスプレーおよびテープドライブで構成されている。このうち、デジタル探鉱機では反射信号に増幅、A/D変換、ローカット・ハイカットフィルターなどを施し、SEG−Dフォーマットに変換され収録される。

 データの品質管理は、24チャンネルのデジタル化した発振ごとの反射信号(ショット・ギャザー)をパーソナルコンピューターのディスプレーに表示させて行った。