重力異常の解析は、2次元のTalwaniの方法によった。基盤深度の既知の場所に近く、かつ重力の急変帯を直角に横断し、2次元解析手法の有効な図1−3−2に示すA−B測線を選んだ。
天白河口断層を直角に横断する断面(大府−港区)が最大の関心事であるが、重力測定の密度が不足であり、また2次元の解析ではその精度に問題がある。
重力探査の結果では、図1−3−2に示す重力異常と解析した断面図(図1−3−3)の基盤勾配から、知多半島の1.5度に比べて、名古屋港の海域部では基盤勾配が12度と急勾配を示し、断層の存在が推定された。重力異常とTalwaniの方法で求めた地下構造より、天白河口断層、あるいは類似の北落ち縦ずれ断層の存在する可能性が大きいことが推定された。
この地域の重力異常の解析には3次元解析手法を導入しなければならない。重力測定の高密度化と解析ソフトの開発を含め、より詳細な解析は今後の課題として残されている。
丸数字は表層密度分布のボーリングの位置、丸印は深層ボーリングの位置
直線ABは図1−3−3の断面図の位置を示す。
図1−3−2 名古屋港周辺の重力異常の分布
図1−3−3 Talwaniの方法で求めた地下構造
(図1−3−2に示した、ABの地下構造)