7−5−1 断層の特徴

橘湾西部の海域は、既往文献では断層の存在は示されていなかった。平成15年度の音波探査により、鬼界アカホヤ火山灰層準が最大2.5m変位している、東西走向で、南落ち主体の断層群の存在が明らかになった(図7−32)。

地理的位置からは、橘湾東部の南串山から連続する橘湾南部断層群の延長とも考えられる。しかし、この橘湾西部の断層群は南落ち主体であり、北落ち主体の橘湾南部断層群とは活動センスが異なること、ピストンコアによる解析結果から、この断層群が橘湾南部断層群とは異なった時期に活動していることが明らかとなった(図7−33)ことから、この断層群は橘湾南部断層群とは別の断層群である可能性が高いと考えられる。そこで、この断層群を橘湾西部断層帯として雲仙活断層群とは区別した。

西方の陸域へ連続するかどうかについては、陸域が未調査のため不明である。既往文献では、西方陸域には活断層の分布は報告されていない。