音波探査結果から橘湾南東部の金浜沖には、南落ちと北落ちが組となった、東西方向の狭小な地溝構造が確認された(図7−29)。
F−1、F−2、F−3断層についてピストンコアリングによる活動性評価を行った結果、鬼界アカホヤ火山灰層準が最大5m変位(F−2断層)していること、及び鬼界アカホヤ火山灰降下(7,300年前)以降少なくとも2回の活動があったこと(F−3断層)が読み取れた(図7−30)。各断層の活動イベントを以下に示す。
・F−1断層
イベントF1−1 上下限不明 変位量1.45m以上
・F−2断層
イベントF2−1 4.5ka−上限不明 変位量3.35m以上
イベントF2−2 7.3−4.4ka 変位量1.65m
(鬼界アカホヤ火山灰以降の変位量5.3m、平均変位速度は0.73m/千年)
・F−3断層
イベントF3−1 2.3−0.9ka 変位量0.90m
イベントF3−2 5.5−4.5ka 変0.60m
(鬼界アカホヤ火山灰以降の変位量1.3m、平均変位速度は0.18m/千年)
2)橘湾中央
橘湾中央に位置するF−5断層は長さ4.0km、東西走向の北落ち断層である。陸域の小浜断層の延長部に位置するが両者の間には断層は確認されていない。
ピストンコアリング調査の結果、鬼界アカホヤ火山灰降下以降2回の活動イベントが読み取れた(図7−31)。
・F−5断層
イベントF5−1 3.2−0.7ka 変位量0.40m
イベントF5−2 5.2−4.4ka 変位量0.60m
(鬼界アカホヤ火山灰以降の変位量1.1m、平均変位速度は0.15m/千年)