俵石岩屑なだれ堆積面(60ka)と低位扇状地T’面(70ka)を基準面としたときの上下方向の変位量はそれぞれ120mと70mで、平均変位速度はそれぞれ2.00m/千年、1.00m/千年である。
また、地質踏査に基づいて作成した地質断面図から読み取った俵石岩屑なだれ堆積面の上下方向の変位量は55〜70mで、平均変位速度は0.92〜1.17m/千年となる。同じく地質断面図から読み取った新期雲仙火山野岳期の湯河内火砕流(Y4)堆積物(80ka)の上下方向の変位量は20mで、平均変位速度は0.25m/千年である(図7−21)。以上の結果から活動度はA級ないしB級と評価される。
低位扇状地T’面構成層と崖錐堆積物が接する断層露頭を確認したが、断層上部に被覆層がなく活動時期に関するデータは得られなかった(図7−22:図7−21の断層露頭@:図7−1の地点Q))。また、リニアメント位置におけるトレンチ調査では、断層は確認出来ず、活動時期に関するデータは得られなかった(図7−21のトレンチ@:図7−1の地点R)。