さらに、断層を挟んで対応する反射面の変位量が、下位ほど大きくなっている場合には、断層活動による変位の累積を示すと判断した。
断層の存在については、海底堆積物中の音波散乱層や、潮流等による表層堆積物の削剥により、海底堆積物中の成層構造が不明瞭であったり、成層構造が認められても側方への連続性が不明瞭な場合は、断層の有無に関して検討できない場合がある。このような場合は、「断層がない」とは確定できない。
また累積性については、断層変位に累積性がない場合と、音波探査記録の不明瞭さから、累積性が読み取れない場合がある。したがって、音波探査結果から累積性が読み取れない断層についても「累積性がない」とは確定できない。
音波探査によって認定した海底断層の延長についての基準は以下の通りである。
・測線間隔が約0.75km(今回の探査測線が主として南北方向であるため、経度差およそ30秒)、より広い場合は、個々の測線で確認された断層の延長については検討しない。
・測線間隔が約0.75km以下(経度およそ30秒以下)の場合において、隣接する測線において、変位の向きが同じ断層が確認された場合、同一の断層の延長と判断する。
・平成16年度調査の測線間隔は経度およそ30秒としているが、詳細調査を実施した部分については経度約15秒(約0.4km:例えば測線123、124、125)、また15秒未満の部分(例えば測線143、121、146)もある。平成14年度調査ではおよそ12秒−15秒間隔で実施している。
・上記の場合において、隣接する測線の断層延長位置において、反射面が不連続であるような部分が認められるが、明瞭な断層であると判断されない場合は、隣接する測線まで断層を延長した。
・断層が隣接する測線へ連続しない場合は、測線間隔が経度約15秒もしくはそれ以下場合は、断層が確認されない測線との中間まで延長する。測線間隔が経度約15秒より広い場合は、最後に確認された測線から一律に約0.2km延長した。