(1)「島原大変」に伴う地割れ

雲仙地溝北東部の島原市北部(眉山の北側)には地形・地質調査や反射法地震探査の結果からは、断層の存在は確認できなかった。

一方、既往ボーリングによる解析から、島原城付近には基盤の口之津層群上面深度分布から、変位量は大きくないものの断層が推定されている(図3−6)。

さらに、1792年の「島原大変」に伴う地震によって、島原城下に東西方向の地割れが発生したことが古文書に示されている。

以上より、島原城付近には、雲仙地溝の北縁をなす主たる断層は存在しないものの、約200年前に活動した断層が存在する可能性がある。そこで、古文書に示された地割れについて、正確な位置を特定し、直接地割れ状況を確認するための調査を行った。