また、B測線では、200m以上の変位量を持つ南落ちの伏在断層の存在が確認されたが、断層による変位が雲仙火山噴出物のどの層準まで及んでいるかは不明であった。
そこで、地表付近の地層の構造の細部を検討するため、起震源としてミニバイブを使用し、解像度の良いS波による反射法地震探査を実施した。
探査測線はB測線において断層による変位の大きい測点1100−1750間の650mとした。
ミニバイブによる探査記録(深度断面)を図4−44に、解釈図を図4−45にそれぞれ示す。
探査記録では、南に緩く傾斜する連続性の良い強い反射面が、側線北端付近の標高−50m付近から測点1700で標高−60m付近に達する。その他、この反射面の上下に、連続性の悪い強い反射面が複数認められる。
一方、より上位では、不鮮明な連続性の悪い反射面が見られ、地層構造が不明瞭である。
このミニバイブによる反射法地震探査の結果からは、バイブロサイスによる探査結果で明らかになった口之津層群の上面を200m以上南落ちに変位させる断層の活動は、標高−40〜−60mの連続性の良い強い反射面を大きくは変位させていないと考えられる。したがって、この強い反射面の層準の時代を決定できれば、地下に伏在する断層の最新活動時期に関する情報が得られると考えられる。
そこで、雲仙火山噴出物の層序を確認することを目的として、この連続性の良い反射面に達するボーリングを実施した。