多田(1984、1985、1993)は、測地学的観測から九州の地殻歪・水平変位量分布をまとめ、これに基づいて沖縄トラフ北東端として別府・島原地溝を位置づけ、トラフの拡大によって南北方向の引張応力場が生じているとした(図3−19、図3−20)。
一方、佃(1992、1993)は、「別府−島原地溝帯」の成因として、地溝が西南日本の中央構造線活断層系の一部を成しているとし、中央構造線の右横ずれによって九州北部の地殻変動を解釈した(図3−21)。このような中央構造線の右横ずれは、フィリピン海プレートの斜め沈み込みをその原因としている(図3−22)。