これから雲仙地域の重力異常は以下のようにまとめられる。
・島原半島北側の国見町沖に高重力域がある。
・島原半島中央部は、九千部岳付近を除き、大局的には、橘湾から深江町沖に至る雲仙地溝の内側が低重力域となっている。
・小浜町沖の橘湾東部と深江町沖の島原湾南部に、顕著な低重力異常が存在する。橘湾の低重力部は、雲仙火山のマグマ溜りの推定位置に相当する。深江町沖の島原湾に低重力域は布津断層北側が落ち込んでいるためとも考えられる。
図3−12 雲仙地域の重力図(ブーゲー異常)
ブーゲー補正と地形補正に用いた密度は2.67g/cm3、等重力異常曲線は0.5mGal間隔。(西南日本重力研究グループ[2001]より部分)。