7−1−3 島原沖(海域)

雲仙活断層群西部の橘湾では、既往調査によっても多くの断層の分布が知られていたが、平成14年度及び平成15年度の音波探査の結果から多くの活断層が確認され、また、断層両側から採取したピストンコアの試料分析から、各断層の活動性評価を実施した。

一方、島原半島の東側の島原湾では、既往調査によって、津断層から連続する急崖が熊本県側へ連続しており雲仙活断層群が島原湾に連続していることが示されている。しかし、断層が確認される場合でも潮流によって変位基準となる表層堆積物が削剥されており、活動性に関する調査は行われていない。

雲仙活断層群北東部の島原沖では、上述したように既往の音波探査によって完新統に変位を与える断層が断片的に知られているが、眉山崩壊による流山等によって海底が埋められており、各断層の方向や長さに関しては良く判っていない。このため、雲仙活断層群北東部は、上述した陸域の島原市付近と共に海域でも断層の位置およびその性状が不明となっている。

そこで、雲仙活断層群全体の活動性評価を行うために、雲仙活断層群北東部の海域における調査を実施する。

この海域は変位基準となる表層堆積物がないことから海上試料採取による活動性評価は難しいが、詳細な音波探査を実施し、海底断層の分布および長さを明らかにし、音波探査記録から読み取った変位量から活動性を評価する。

○調査項目・数量

・海域音波探査 :50km