(3)雲仙地溝中央東部

(1)赤松谷断層

赤松谷断層リニアメントは東西走向で、赤松谷上流では古期雲仙後期吹越溶岩を北落ちに変位させ、赤松谷中流では古江火砕流堆積物(23ka)を北落ちに変位させている。また、水無川付近では低位扇状地V面を北落ちに変位させているとされてきた。

低位扇状地V面におけるトレンチ調査の結果、低位扇状地V面構成層(8ka)に変位はなく、リニアメントは扇状地面上の小河川の侵食崖であることが確認された。

地質踏査の結果、水無川の両岸で低位扇状地V面形成以降、数m以上の変位を示す断層は存在しないと推定される。

赤松谷川中流の古江火砕流堆積面北側の直線崖が断層であるかどうかは不明である。

(2)赤松谷断層東方延長部

赤松谷断層リニアメントの東方延長部での水無川下流では、新期の土石流堆積物に覆われリニアメントは判読されない。

既往ボーリングデータからは、海岸付近において完新統を変位させる断層は存在しない。