(4)九千部岳U断層

九千部岳U断層リニアメントは、東西走向で古期雲仙火山の溶岩を南落ちに変位させている。

リニアメント位置に、新期雲仙火山の火砕流堆積物と崖錐堆積物が凹凸のあるほぼ垂直な面で接する露頭を確認した。境界面の位置・走向がリニアメントにほぼ一致することから九千部岳U断層の断層露頭と考えられる。

断層落ち側の崖錐の上位に二次堆積した黒ボクが落ち込んでいる。この黒ボクにはK−Ah火山灰を混入し、年代測定値はAD1476−1634を示した。このことから17世紀以降に地震等により既存の低崖に黒ボクが落ち込んだ可能性がある。