(2)千々石断層南分枝

田代原の東端付近で千々石断層より分岐する南落ちリニアメントで古期雲仙火山の溶岩を変位させている。リニアメントに平行する林道法面に断層露頭が確認されたが、調査の結果、走向が異なることから千々石断層南分枝の断層露頭ではないことが明らかとなった。

(2−a)千々石断層南分枝派生断層

千々石断層南分枝のリニアメント位置の谷の北側斜面において林道法面にAT火山灰を変位させる断層露頭が確認された。トレンチ調査の結果この断層の走向はN40Wであり、千々石断層南分枝の派生断層と判断される。この派生断層に関連するような変位地形は地表には認められない。

この派生断層は礫石原火砕流(19ka)及び湯江川火砕流(16ka)を変位させている。変位量は基盤の舞岳火砕岩(255ka)上面の高度差から約2.5mと推定される。断層落ち側の舞岳火砕岩上にはAT火山灰直下の黒ボク(27ka)以降の堆積物が確認された。