(6)断層露頭EFG

図4−7−5−2

金浜川上流部において、金浜川上流のリニアメントに方向と位置が一致する断層を3箇所で確認した。

断層露頭Eでは、古期雲仙火山噴出物の火山灰層を切る2条の平行する断層を確認した。これらの断層の走向傾斜はN80E 80SおよびN80E 84Sである。南落ちを示す両断層の変位量は、両断層を合わせて約60cmである。

断層露頭Fは、上述の露頭Eの東に位置し、土石流堆積物と火砕流堆積物が走向N64E、傾斜78Sの断層で接している。落ちのセンスは不明であるが、露頭Eと同じく南傾斜の断層である。

断層露頭Gは、露頭Fのさらに東方に位置する、走向傾斜がN66E 60Sの断層である。北側の火砕流堆積物およびそれを覆う褐色ロームが、南側の火砕流堆積物と、厚さ約10cmの粘土化した破砕帯を介して接している。断層は南傾斜を示すが落ちのセンスを示す証拠は無い。

断層露頭EFGは金浜川上流部のリニアメントに走向と位置が一致する。しかし、これらの断層露頭は南傾斜を示している。露頭Eにおいては南落ちの正断層と考えられ、北落ちセンスの変位地形を示すリニアメントと矛盾する。