(2)ボーリング調査の経緯

ボーリング調査は、断層による沈降を確認するため、深江断層落ち側(No.1)と布津断層の落ち側(No.2)においてボーリング調査を実施した。また断層によると推定される沈降が確認された場合、両断層が単独で活動したのか同時に活動したのかを判断するため、布津断層上がり側(No.3)でもボーリングを実施した。

ボーリング地点位置図を図4−6−21に示す。

No.1〜No.3のボーリング調査の結果、布津断層落ち側のNo.2では後述するように縄文海進時の汀線付近の層準が現在標高−5mに沈降していることが確認され、布津断層の活動が確認された。

しかし、深江断層落ち側のNo.1地点では扇状地堆積物構成層の上位に新しい土石流堆積物(低位扇状地Ub面もしくは低位扇状地Uc面構成層と推定される)が厚く堆積しているのみで、海成層の存在は確認出来なかった。この結果から、深江断層の活動によって海の進入があったとしても、その後の土石流堆積物が海成層を削剥してしまった可能性が考えられる。そこで、深江断層により近い、低位扇状地Ub面の土石流が到達していないと考えられる地点でNo.4ボーリングを実施した。

また、布津断層落ち側のNo.2で、布津断層の活動を示すと考えれらる海成層が確認されたことから、布津断層と深江断層のほぼ中間地点において、低位扇状地T’面への海の侵入を確認するため、No.5ボーリングを実施した。