深江断層の断層面は、露頭で確認できる範囲では北側に凸の曲面を呈している。そのため走向傾斜を正確には示せないが、平均的な走向傾斜はN70W 70Nと推定される。土石流堆積物と崖錐堆積物の境界はかなり明瞭であるが、破砕帯や条線は確認出来ない。
断層落ち側の崖錐堆積物は、AT−火山灰(26−29ka)やK−Ah火山灰(7.3ka)を挟在する黒ボク層で覆われている(図4−6−8−2:写真E)。しかし、これらの被覆層は断層付近では工事により削剥されており、断層の活動時期に関する情報は得られなかった。