牡丹山より西方では、赤松谷断層リニアメントは古期雲仙火山の吹越溶岩(111〜100ka)からなる岩床山の北側の直線的な急崖を通る。しかし、ここでは牡丹山に比して崖の直線性は悪い。
空中写真判読結果では妙見岳崩壊壁には東西に連続するノッチ上の高まりが認められる。これが変位地形だとすると、落ちのセンスは南落ちとなり赤松谷断層リニアメントとは逆センスである。
更に西方では、野岳溶岩(73ka)からなる山体の尾根の鞍部がリニアメント位置と推定されているが、断層露頭は確認されていない。
以上に示したように牡丹山より西方の地形からは、断層の存在を確実に示す事象は認められない。