(1)断層落ち側の層序確認ボーリング

林道法面では断層落ち側の層序がAT火山灰の直下の黒ボクまでしか確認されていなかったため、断層落ち側の層序を確認する目的で、林道の南側でボーリング調査(舞岳No.1)を実施した。ボーリング地点を図4−3−4に示す。ボーリング柱状図及びコア写真を図4−3−9に示す。

ボーリングの結果ではトレンチA、Bで確認された舞岳の火砕岩の上位に黒ボク、AT火山灰、原口町火砕流堆積物、礫石原火砕流堆積物、含礫ローム層、風化ローム層、K−Ah火山灰、表土という、林道法面やトレンチA、Bとほぼ同じ層序が確認された。

この結果から、千々石断層東部南分枝の断層落ち側には、AT火山灰直下の黒ボク(同位体補正値で25kaを示す)以降の地層しか分布しておらず、この断層はAT火山灰降下の直前(25ka:暦年でおよそ29ka)に活動を開始したものと推定される。