4−2−4 今後の課題

A−3測線で示された沈降域の境界であるNo.13−No.11間は、平成14年度の空中写真判読によるリニアメント位置に当っている。

同じくリニアメントが通るA−1測線においては、このリニアメント位置に完新統を8m変位させるような断層の存在は確認されない。しかし、測点80付近より南側の記録が不鮮明な部分に断層が存在する可能性も否定できない。

一連の調査結果からは、唐比低地内において完新統が数m沈降しているのは確実であるが、その原因として最も可能性のある千々石断層延長部の活動である証拠は得られていない。

断層が確認出来ないことから、この沈降は撓曲によるものである可能性も考えられ、今後は、撓曲という観点から調査手法も含めて検討する必要がある。