4−2−2 物理探査の結果

空中写真判読結果から推定された唐比低地内における千々石断層西端部の位置を特定するため、唐比低地内において反射法探査を実施した。

2本のリニアメントを横断する道路が無いため、国道251号線を境に、平成14年度調査における空中写真判読によるリニアメントを横断するA−1測線と中田・今泉(2002)によるリニアメントを横断するA−2測線を設定した(図4−2−1)。

起震源としては、平成14年度のボーリング結果から基盤深度が15mないし30mと推定されることから、起震は基本的にポータブルバイブを用いた。A−1測線に関しては、軟弱湿地上に設けられた道路のため、地盤改良部分が厚く記録にノイズが大きいため、よりエネルギーの大きなミニバイブによる探査も合わせて実施した。

また、唐比低地の中央南部では平成14年度No.1ボーリングにより唐比低地を海と隔てる礫堤が地塁である可能性が考えられたことから、この地下構造を確認するためC測線を設けて反射法探査を実施した。ここでは、農道がコンクリートで舗装され、周辺が湿地となっているため、A−1、A−2測線で使用したポータブルバイブやミニバイブによる起震ではなく板叩き法で起震した。

当初は平成14年度に実施したNo.2ボーリング位置を含む唐比低地西部においても反射法探査を計画したが、現地の農道(町道)が全てコンクリート舗装されており、バイブレーターによるS波の起震が不可能なため反射法探査を実施しなかった。

反射法探査を実施したA−1、A−2及びC測線の測量結果を巻末資料に示す。

なお、反射法探査の結果を解釈する上の参考とするため、有喜火山岩類で構成される基盤と未固結のシルトや泥炭から構成される沖積層との密度差を利用して、基盤上面の形状を明らかにする目的で、A−1測線、C測線において重力探査を実施した。