4−1−3 踏査結果のまとめと今後の課題

地表踏査の結果、井牟田の南側の尾根地形を形成したと推定される横ずれ成分を持つ逆断層の露頭が尾根の南北両側で確認された。また、唐比から有喜にいたる海岸部の崖が断層崖である可能性も推定された。

その他いくつかの断層露頭が確認されたが、その多くが同一岩体中の断層であるため、断層の活動方向(正逆、横ずれ)、長さ、活動時期等に関する情報は得られていない。有喜火山岩類分布域中の断層の活動時期に関しての情報は殆ど得られていない。

今後は、これらの断層の性状ならびに活動時期に関する情報を得るための調査を行い、これらの活動と雲仙活断層群との比較検討から、雲仙活断層群の範囲を確定する必要がある。また、諫早−大村地域の地質及び地質構造に関する文献調査により、雲仙地溝を形成した応力場との関係についても検討を行う必要がある。