5−2−3 島原湾の活断層
島原湾における既往の音波探査調査によれば、千々石断層の東方延長にあたる島原市沖には眉山崩壊によってもたらされた極めて粗粒な堆積物が厚く堆積しており、断層の活動性解明に有効な細粒堆積物はほとんど分布していない。また、布津断層の東方延長部の海底には急崖が続くが、潮流による侵食のため表層には新しい堆積物はほとんど分布していない。以上のような状況からみて島原湾においては、橘湾で実施したような現地調査にあまり成果を期待できない。しかしながら、雲仙活断層群の全体像を把握するためには、この地域の断層についての情報も重要である。したがって、既往の音波探査記録(原記録)の見直しを行い、活断層の分布および規模(長さ、変位量)を再検討し、評価に結び付けていく作業を行う。