(4)火山灰分析

鏡下観察によって抽出した21枚の火山灰層のサンプルを採取し、各々火山灰分析を実施した。分析は全岩鉱物組成、重鉱物組成、火山ガラスの形態分類、火山ガラスの屈折率測定の4項目を実施した。、火山灰分析結果を表3−5−4に示す。

火山灰分析の結果から、火山灰層は7枚に分けられることがわかった。表3−5−5に一覧表を、以下に詳細を示す。

(イ)V−1(鏡下観察結果一覧表 No.:1)

鏡下観察でscoria層としたものである。TAT02−05、TAT02−07、TAT02−09、TAT02−12で確認された。火山ガラスの形状は偏平型(Ha、Hb)が優勢で、屈折率はn=1.497−1.498、1.503−1.507の2モードがみられる。

(ロ)V−2(鏡下観察結果一覧表 No.:2)

鏡下観察でpumice層としたものである。TAT02−03、TAT02−05、TAT02−07、TAT02−12で確認された。火山ガラスの形状は中間型(Ca、Cb)が優勢で、屈折率はn=1.505−1.507、1.510−1.511の2モードがみられる。

(ハ)V−3、V−3’(鏡下観察結果一覧表 No.:3)

鏡下観察でpumice層としたものである。TAT02−05(V−3)、TAT02−07(V−3’)で確認された。V−3は火山ガラスの形状は偏平型(Ha、Hb)が優勢で、屈折率はn=1.504−1.505、1.507−1.510の2モードがみられる。一方V−3’では火山ガラスの形状は偏平型(Ha、Hb)から中間型(Ca、Cb)が優勢で、屈折率はn=1.507にモードがみられる。両者は重鉱物組成・ガラスの形態組成ともによく類似しているが、屈折率に若干の相違があることから区別した。ただし、音波探査記録やコアの分析結果からみれば両者は同層準の堆積物であるものと考えるのが妥当とみられる。

(ニ)V−4(鏡下観察結果一覧表 No.:4)

TAT02−07のみで確認された。火山ガラスの形状は偏平型(Ha、Hb)が優勢で、屈折率はn=1.507−1.5011にモードがみられる。本層準はK−Ah層(アカホヤ層)に相当する。

(ホ)V−5、V−5’(鏡下観察結果一覧表 No.:5、6)

TAT02−05とTAT02−07で確認された。火山ガラスの形状は中間型(Ca)〜多孔質(Ta)が優勢で、屈折率はn=1.495、1.501−1.503の2モードがみられる。重鉱物では角閃石が優勢である。2つのコアから検出された試料の分析結果はよく類似したものであったが、帯磁率測定等の結果から求められた対比層準との関係をみた場合、年代に若干の差がある可能性が考えられる。

(ヘ)V−6

TAT02−05のみで確認された。火山ガラスの形状は偏平型(Ha、Hb)が優勢で、屈折率はn=1.505−1.506にモードがみられる。重鉱物では角閃石が優勢である。

(ト)V−7

TAT02−05のみで確認された。火山ガラスに乏しく、屈折率はn=1.496−1.510とレンジが広くモードが明確でない。重鉱物では角閃石が優勢である。