(2)年代測定

唐比ボーリングNo.1、No.2コアにおける放射性炭素年代測定値の一覧表を表3−4−2に示す。

No.1コアについては、深度4.85mで4200±35yBP(補正年代。以下同様。)、4.90mで4225±30yBP、10.90mで6415±35ByPの値が得られた。

また、No.2コアのについては、深度1.8mで2470±40yBP、3.50mで4030±30yBP、7.80mで4820±30yBP、10.55mで5725±35yBP、10.95mで6090±35yBP、11.15mで6060±35yBP、14.10mで8510±60yBP、15.00mで18,4310±100yBPであった。

この年代値はアカホヤ火山灰(放射性炭素年代ca.6300yBP)が12.36m〜11.68mに挟まれることと良く一致する。

これらの年代測定結果をもとに作図した唐比低地における深度−15m以浅の堆積速度変化を図3−4−6(上図)に示す。この図には松岡他(1996)による年代測定結果に基づく堆積速度をあわせて示した。また、参考として、阿多鳥浜(At−Th)火山灰の層準および対比に不確かさが残るがAso−3に相当する層準を加えて−35m以浅の堆積速度の変化を図3−4−6(下図)に示す。

深度−14m以浅についてみると、唐比No.1、No.2および松岡他の年代測定結果から推定される堆積速度は概ね同じ傾向にあるといえる。この結果からは、明確な堆積速度の急変は認められない。一方、−15.00mの年代は18430±100yBPとそれ以上の層準の堆積速度と大きくかけ離れており、この間に堆積間隙ないし、削剥欠如が存在する可能性がある。