「雲仙科学掘削プロジェクト」の火道掘削(USDP−4)に伴い、アクセス道路として舞岳林道が平成14年度に拡幅された。これに伴い、掘削サイト法面、ピット壁面及び林道法面に断層露頭が出現した。
舞岳林道周辺の地形区分図を図3−3−15に、舞岳林道のルートマップを図3−3−16に示す。
前述した国道389号線法面の千々石断層の露頭(図3−3−16の断層C)もあわせると、舞岳付近を東西に延びるリニアメント(千々石断層およびその分枝、九千部岳T断層、九千部岳U断層に対応する)のすべてに露頭が確認されたことになる。
舞岳林道は普賢岳から舞岳にいたる斜面にあり、古期雲仙火山後期の火砕流堆積物・岩屑なだれ堆積物の上に、礫石原火砕流堆積物、湯江川火砕流堆積物等が堆積している。
礫石原火砕流および湯江川火砕流堆積物の年代を明らかにするため、林道沿いの露頭から火砕流直下の黒色土を採取し、放射性炭素年代測定を実施した。その結果は礫石原火砕流直下の黒色土の年代が17,850±90yBP(試料1202−4 D1)、湯江川火砕流堆積物直下の黒色土の年代が16,280±80yBP(試料1202−5 D1)であった。
以下に各断層露頭について南から順に示す。