(2)断層露頭A

断層AはUSDP−3孔サイトにおいて火道掘削に伴い掘削されたピット壁面に出現した。これは九千部岳T断層のリニアメント位置に当る。

現在はモルタルで覆われ観察できないため、露頭の情報は、京都大学堤先生のご好意による写真のみである(図3−3−19)。写真からは、アカホヤ火山灰が断層で切られている様子が観察される。

また、断層露頭Aから約20m北へ下ったの林道法面に、林道を横切る断層露頭が出現した(断層露頭A’)。露頭写真と露頭スケッチを図3−3−20−1図3−3−20−2に示す。この断層では火砕流堆積物とローム層が接している。上記のリニアメントと平行する南落ちの断層である。落ち側のローム層の上位にアカホヤ火山灰が確認されたが(火山灰分析:試料M2−3)、断層位置にはアカホヤ火山灰は分布しておらずアカホヤ火山灰は断層による変位を受けているかどうかの直接の証拠は得られていない。しかし、断層露頭Aでアカホヤ火山灰が切られていることから同時期に活動した可能性が高いと考えられる。