これらのリニアメントは既往文献で示された雲仙地域の活断層の位置と概ね一致する。
特に、新しい断層活動を示すと考えられる変位地形としては、千々石断層西端部の唐比低地において、沖積低地面上に南側下がりの変形を認定した。これは千々石断層の北側上がりの断層によって形成された可能性が考えられる。
その他の地域では、明らかに完新世の断層活動で形成されたと考えられる変位地形は認定できていない。特に、雲仙火山の山体斜面や雲仙岳東麓では、斜面の侵食や新しい堆積物(火砕流堆積物、土石流堆積物等)に覆われているため、新しい変位地形の認定は困難である。