断層により切られている最新の堆積物は崖錐堆積物であるが、崖錐堆積物から年代測定試料が得られなかったため、最新活動時期を見積もることができなかった。
A再来間隔
変位基準面が崖錐堆積物の基底面のみであり、複数の基準面が存在していないため再来間隔を見積もることができなかった。
B単位変位量(1回に活動に伴う変位量)
露頭面で、崖錐堆積物の基底面を基準面とした場合1.0mの変位が認められる。ストリエーションは確認でなかったためネットスリップは不明である。
これが1回に活動に伴う変位量であるのか、複数回の変位量であるか不明である。
C平均変位速度
最新活動時期及び単位変位量が見積もられていないため、平均変位速度を見積もることはできない。
D想定マグニチュード
変位地形・断層露頭が連続する区間は、北端を油坂スキー場、南端を調査範囲南端とする約20kmである。
また、B単位変位量 で得られた露頭面での崖錐堆積物の基底面を変位量は約1.0mである。これを単位変位量と考えれば1.0mである。
内陸性の地震断層においては、長さLや単位変位量Dと地震のマグニチュードMの関係が松田式(松田(1974))により以下のとおり知られている。
Log L = 0.6 M − 2.9 (Lの単位はkm)
Log D = 0.6 M − 4.0 (Dの単位はm)
この式に、L=20km,D=1.0mを代入すると、推定されるマグニチュードはそれぞれM=7.0,M=6.7となる。
E長期予測
最新活動時期,再来間隔が不明なため、長期予測を行うことは困難である。