二日町断層については、北北西−南南東方向に連続する地形鞍部として、地すべり地形を挟んで南北2条の断層変位地形の連続として抽出できる。
北側の変位地形は、東西2条の平行した断層変位地形の連続に区分できる。これら断層変位地形の連続上には、高位段丘面,中位段丘面及び扇状地・崖錐が分布するが、これら更新世後期と考えられる地形面上には変位地形は認められない。
南側の変位地形も、北側同様、東西2条の平行した断層変位地形の連続に区分できる。これら断層変位地形の連続上には、扇状地・崖錐が分布するが、これら更新世後期と考えられる地形面上には変位地形は認められない。
地質調査の内、地質概査では、次の情報が得られた。
南区間の東側の断層変位地形の連続についてには8箇所の断層露頭を確認した。このうち露頭番号7地点では崖錐が切られている可能性がある。北区間については断層露頭は確認できなかった。
多くの断層露頭が発見された南区間では、リニアメントの方向と断層面の方向が斜交や、方向は調和的であるが傾斜方向がばらつく結果が得られた。
したがって、二日町断層のリニアメントは、共役な小断層の集合により形成された断層破砕帯であると考えられる。断層破砕帯形成後には熱水の貫入があり、熱水変質によりさらに軟質化しているため、明瞭なリニアメントとして抽出できるものと考えられる。
地質精査では、露頭番号7地点を中心として1/2,500地質精査及び断層露頭の詳細観察を行い、崖錐堆積物中には断層が存在しないことを確認した。しかし、崖錐堆積物の基底面に約2mの段差があることを確認した。
したがって、地質調査の結果では、基盤岩と崖錐堆積物は不整合で接している可能性が高いが、崖錐堆積物の基底に段差があることから活断層である可能性を完全に否定できていない。