2−2−1 地形地質調査の概要

(1) 目的

地形地質調査では、長良川上流断層帯を構成する二日町断層,那留断層,大野断層,八幡断層の分布地域について、地形面区分、地質層序の確立、地下地質構造の把握を目的とした地形調査(空中写真判読)及び地質調査(地質概査)と、活動性評価が可能である地域を対象とした地質調査(地質精査)に大きく二分される。

(2) 調査範囲

空中写真を主とした地形調査(1/25,000,100km2)、及び地質概査(1/25,000,100km2)の範囲を図2−2−1−1−1図2−2−1−1−2に示した(他の調査項目地点も含む)。これらの調査を基に、主にその後の物理探査,ボーリング調査候補地となる地区として、以下の4箇所を地質精査地点として選定した(精査範囲:5.6km2)。

@露頭7地点(二日町断層を対象)

A那留地点(那留断層を対象)

B小間見地点(那留断層南方のリニアメントを対象)

C落部地点(八幡断層を対象)

大野断層については、地質概査の段階で大野断層の北側延長部に位置する道路公団の切土法面の観察により評価を行ったため、地質精査地区を設定していない。

那留断層については、白鳥町(1996):活断層調査委託報告書で報告されている断層露頭地点において露頭精査を実施した。

(3) 調査実施期間

<地形判読>      平成8年9月14日〜10月4日

<地質概査および精査> 平成8年9月23日〜11月2日

(4) 担当者

向山  栄(技術士:応用理学)

三戸 嘉之(技術士補:応用理学)

鈴木 英雄

渡子 直記(技術士:応用理学)

(5) 調査方法

1) 地形調査

関ヶ原断層帯の調査地域について、実体視用空中写真による地形判読を実施した。 空中写真の縮尺は1/10,000程度を基本とし、段丘面の分類、断層変位地形などの抽出を行った。抽出した事項については地質調査時に現地で確認し、この結果から、長良川上流断層帯を対象とした縮尺1/25,000の地形分類図を作成した。

2) 地質調査(概査・精査)

現地踏査によって、表層地質、地質構造および断層変位地形について主に調査した。特に断層が推定される地域では、断層露頭や鍵層などの重要露頭について精査し、スケッチを実施した。年代測定試料については、試料の採取に努めた。

成果は、地質平面図(縮尺:1/25,000、1/2,500)や露頭観察カード・露頭精査結果(1/20スケッチ)などである。