表1−3−1−7 各市町管内ごとのボーリング資料数
収集したボーリング資料からは、次のことが整理される。
1)断層の調査を目的として掘削されたボーリング及び地質調査は、
大野断層を対象
資料@白鳥町(1996):「活断層調査委託報告書」
八幡断層を対象
資料A建設省中部地方建設局(1991)
「平成3年度油坂峠道路地質調査(その1)報告書」
資料B建設省中部地方建設局(1990)
「向小駄良インター地質調査作業報告書」
の3資料であった。
これらの内、断層露頭や断層の存在を示唆する露頭が示されているものは資料Aのみであった。資料Aに示されている地質情報は重要露頭と考え、調査に反映させた。
2)ほとんどの資料は、段丘面上において建物・構造物の基礎地盤の調査を目的として実施されたものであり、掘削深度20m〜30m以下と比較的浅いものが多く、地層の記載についても詳しいものが少なかった。
3) 白鳥町では油坂スキー場付近で温泉として掘削された深いボ−リング(掘削深度1645.7m)が1本存在していたが、地質の記載については1500mまでノンコア掘削であるため詳しい記載はない。1500m以深はコアが採取されており、中・古生層での粘土押し出し記載がある。しかし、断層によるものであるのか、または温泉変質によるものなのか、詳しい記載が認められない。このボーリング孔では温度検層や電気検層が行われており、地下温度の変化する点(変曲点)や低比抵抗帯の存在を八幡断層への接近と考えている。しかし、この地域の中・古生層はその成因が海底地すべりやスランプであることから、一概に断層破砕帯と考えることはできない。したがって傍証として扱うこととした。
4)第四紀の地層中には、断層および断層による破砕帯等の記載はみられなかった。