5−3 福島盆地西縁断層帯に関する評価

白石断層の最新活動時期(約2,090〜3,700年前前後)は,南部の台山断層の最新活動時期(約950〜2,050年の間)よりやや古い。また,中部の桑折断層・藤田東断層は,活動時期の限定が進んでいないため,白石断層との関係は現段階で確定できないが,同時期に活動した可能性は残されている(図5−3−1)。

一方,白石断層の単位変位量は,断層を挟む撓曲区間全体で見積もった場合,鉛直変位が2〜3m(礫層2基底部堆積以降2回活動)で,オーダーとしては,台山断層・桑折断層・藤田東断層など(鉛直変位量1.65〜4m)と同等と見なすことが可能である(表5−3−1)。

また,松田(1975)の式から算定される断層活動区間は30〜50km程度で,白石断層・越河断層の総延長20qを大きく上回り,現段階では,中部・南部と連動して活動する可能性を否定できないと判断される。

表5−3−1 確認された単位変位量一覧