(4)活動間隔について

最新活動と1回前の活動との間隔は,5,800~7,500年以下と考えられる(図5−1−5)。また,礫層2堆積前の活動は,前記のように約9,550年前以前の約4,500年間に高角断層部において2回活動した可能性がある。以上を総合すると,礫層1基底部堆積以降(約14,000年前以降)に約3,000〜4,000年の間隔で4回の活動を想定することもできる(図5−1−5)。

高角断層部において礫層2堆積以前の礫層1基底の鉛直変位量は,約3.5m(低角逆断層の変位を元に戻した場合,高角断層下盤側の礫層1の厚さに等しい値)以上と見積もられる(図5−1−2)。撓曲区間全体の変位は,これより大きいと判断されることから,前記した礫層2以降の単位鉛直変位量(2〜3m)を考慮すると,礫層1基底部〜礫層2基底部堆積までの約4,500年間に,高角断層部は2回活動した可能性が考えられる。

一方,礫層2基底部堆積以降(約9,550年前以降)には2回の活動が想定され,最新活動は約2,090〜3,700年前に限定されている。従って,最新の1回前の活動は,約9,550年前以降で約3,700~2,650年前以前と判断される(図5−1−5)。