高角断層部において礫層2堆積以前の礫層1基底の鉛直変位量は,約3.5m(低角逆断層の変位を元に戻した場合,高角断層下盤側の礫層1の厚さに等しい値)以上と見積もられる(図5−1−2)。撓曲区間全体の変位は,これより大きいと判断されることから,前記した礫層2以降の単位鉛直変位量(2〜3m)を考慮すると,礫層1基底部〜礫層2基底部堆積までの約4,500年間に,高角断層部は2回活動した可能性が考えられる。
一方,礫層2基底部堆積以降(約9,550年前以降)には2回の活動が想定され,最新活動は約2,090〜3,700年前に限定されている。従って,最新の1回前の活動は,約9,550年前以降で約3,700~2,650年前以前と判断される(図5−1−5)。